【今日の文献】夜間痛を合併する肩関節周囲炎の可動域制限の特徴
こんにちは!こんばんは!
こじぱぱです。
【今日の文献】シリーズ
整形外科クリニックに勤めていると
夜間痛を呈している肩関節周囲炎の方
たくさんいらっしゃいます
夜間痛に関する報告は多くありますが
その中の一例を。
ではいってみましょう!!
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<忙しい人への要約>
夜間痛症例では肩関節上方支持組織の
拘縮が見られた。
また肩峰下圧の上昇に深く関与する報告が
多くみられるが、二時的要因では
運動療法の適応が十分に存在する。
そのため肩峰下滑動機構の改善が
運動療法の大きな目的となる。
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肩関節周囲炎を夜間痛群と非夜間痛群に
分類した場合
(肩関節下垂位における外旋可動域の違い)
夜間痛群14.6°
非夜間痛群37.9°
(結帯動作可動域の違い)
体側レベル:0点
臀部:1点
仙骨からL4:2点
L4以上:3点としたとき
夜間痛群1.3点
非夜間痛群2.4点
(肩関節屈曲)
大きな差はなし
(アライメント)
夜間痛群は上腕骨に対して肩甲骨が
下方回旋位に位置していた
つまり上方支持性組織の伸長性が
反映される項目での差が明らかになった
すなわち肩峰下滑液包と腱板の癒着による
肩峰下滑動機構の破綻もしくは
上方組織の拘縮が肩峰下圧に関与し
夜間痛の発生に関係していると考えられる
肩峰下圧の上昇に関与する要因
<一次的要因>
肩峰下滑液包炎
腱板炎
肩峰下骨棘の増殖
烏口肩峰靭帯の肥厚
<二時的要因>
肩峰下滑液包と腱板の癒着
腱板の攣縮、浮腫、短縮
腱板疎部を中心とした
上方関節包靭帯の癒着
二時的要因であれば
運動療法により改善が見られ
夜間痛に対しても効果的ではないか
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癒着の剥離を中心とした肩峰下滑動機構
の再獲得と、腱板疎部を中心とした
選択的ストレッチを実施(週2回)の結果
夜間痛消失に要した治療回数は平均4.8回
夜間痛消失に要した期間は
1週間以内が46%
2週間以内が75%
3週間以内が82%
このように拘縮を主体とした二時的要因
により発生している夜間痛は、運動療法の
適応が非常に高く、有効な保存療法の
一つとして選択されるべきである
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とのことです。
夜間痛を呈している患者様が多いですが
そのリハビリの一助となれば幸いです。
では。